こんにちは。都立入試解説のラストは国語です。国語は近年簡単に。ことしも同様です。
大問1 漢字の読み 大問2 漢字の書き
だいたい1問は日常的に使用されないような熟語が出題されますが、それすらも無く、全問取りこぼさなかった受験生が多かったのではないでしょうか。
大問3 物語文
オオタカのヒナの巣立ちを見守る小学6年生が主人公。特殊な設定でもなく、比較的感情移入しやすかったのでは。いずれも登場人物の言動の背景にある心情を問う問題。問2をpick upします。

特別難しくはないですが、物語文のオーソドックスな問題です。「ぼく」「梛」の二人とも悲しんでいる様子は読みとれるので、選択肢は(ウ)と(エ)に絞り込める。あとは冷静に記述内容を振り返ります。赤線は「梛」、青線は「ぼく」が悲しんでいる様子。涙を流している「ぼく」の方が悲しみが深い?いやいやそれは思い込みが強いでしょう。よく読んだ上で誤った選択肢を選んでしまう原因にはこの“思い込み”があります。どうしても自分の感覚と正答にズレを感じる人は、物語文の設問に沢山触れ、一般的な言動と心情の関連性を理解していきましょう。
大問4 説明文+作文
今年は説明文も比較的読みやすかった印象です。「しかし」「たとえば」などの接続語を省略せずに記してくれる著者なので、文章の構成を捉えやすかったのではないでしょうか。問5は「文化を受け継ぎ発展させること」というテーマ。最後の一文「忠実な伝達を行うことで累積的文化進化が促進される」という筆者の主張を盛り込んで、具体的な体験や見聞に落とし込むという作文です。書けたでしょうか?身近なところで“学校の伝統”とか“部活の伝統”などを題材に書くのが切り口としては良さそう。
大問5 古文の鑑賞文
学習量不足のため、大問5を苦手とする受験生も多かったようです。ですが、鑑賞文、古文(原文)、現代語訳を照らし合わせながら読むと、特に古文だからといって特別なことは求められません。大問1は口語文法としての「ない」の識別でした。どれが形容詞で、どれが助動詞でなど細かな知識は必要ありません。「ない」→「ぬ」に置き換え可能な(ア)(イ)(ウ)は否定の助動詞、不可能な(エ)は形容詞の「ない」でした。仲間外れを見つけるだけでOKです。
形式、難易度ともに近年の国語易化ブームは変わらず。気分よく1教科目のスタートを切れた受験生も多かったのではないでしょうか。国語の点数を上げるのには時間がかかります。特に解説を読んでも自分の解釈の何が誤っているのか、消化不良になってしまいがち。国語の授業を受講して感覚のズレを矯正し、その上でたくさんの問題をこなしていくことをお勧めします。