芝浦工大附属中は国算理の3科入試でしたが、現5年生からは社会が復活して4科入試となります。
また、国算理では珍しく“リスニング問題”が課されています。
今回は第1回入試の大問4を紹介します。N進法の考え方を利用しますが、これも特別な解法の知識を必要とせず、与えられた情報をどのように整理していくかが重要となる非常に良い問題でした。

(1)この時計が日曜日の00:00を表示しているときから観察します。
①時計のBに4、Dに0が表示され、AとCに0以外が表示されるのは、この時計の曜日が1週する間に何回ありますか。
BとDは固定されているので、それ以外の場合の数を考える。ただしAとCは0以外。Aは1~4の4通り、Cは1~3の3通り、曜日は日~土の7通り。よって4×3×7=84回。
②2025分後、時計はどのような表示になりますか。
Aが5つ進むごとにBが1つ進み、Bが7つ進むごとにCが1つ進み、Cが4つ進むごとにDが1つ進み、Dが3つ進むごとに曜日が1つ進む。よって2025分=Aが2025回進むことによって、それぞれが何周してどこで止まるのかを考える。
まずAについては2025÷5=405(余りなし) よってAは405周してまた0に戻ったことになる。
Bは405回進むと405÷7=57 余り6 よってBは57周して6で止まる。
Cは57回進むと57÷4=14 余り1 よってCは14周して1で止まる。
Dは14回進むと14÷3=4 余り2 よってDは4周して2で止まる。
曜日は4回進むと日→月→火→水→木で木で止まる。
したがって 木 21:60
(2)芝田くんはこの時計を次のように3点改造しました。
・Aは4の後に5、6、7を増やす。
・Bは6、Cは3を減らす。
・曜日はDが2周すると1つめくれる。
この改造した時計で日曜日の00:00から、初めて月曜日の01:23を表示するまで、何時間何分かかりますか。
新たな条件を整理します。
Aは3つ増えたので、Aが8つ進むごとにBが1つ進む。
Bは1つ減ったので、Bが6つ進むごとにCが1つ進む。
Cも1つ減ったので、Cが3つ進むごとにDが1つ進む。
Dは「2周する」=6つ進むごとに曜日が1つ進む。
曜日→D→C→B→Aの順に考えていきます。
日曜日の00:00からスタートして、
曜日が日→月と1つ進むためには、8×6×3×6×1=864分かかる。
Dは0のままで良いのでこのまま。
Cは0→1と1つ進むためには、8×6×1=48分かかる。
Bは0→2と2つ進むためには、8×2=16分かかる。
Aは0→3と3つ進むためには、3分かかる。
よって864+48+16+3=931分=15時間31分
この問題も特殊な解法の知識や発想力を必要とする問題ではなく、条件を解釈して整理していくタイプの思考力を求める問題でした。解決の糸口が見つからないときは、まずは具体例を自分で作ってトライしてみることですね。いくつか具体例で考えているうちに共通点や規則などが見えてくることも多いです。